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「養生・長寿」のツボ 足三里

よっしー先生の特効ツボはここでヨシ!

帝京平成大学ヒューマンケア学部鍼灸学科准教授 大山 良樹

[おおやま・よしき]——大阪産業大学経営学部、明治鍼灸短期大学鍼灸学科卒業。明治鍼灸大学助手・講師を経て、2008年から現職。日本東洋医学会、日本健康科学学会所属。

私は大学で学生たちに(しん)(きゅう)を教えながら、大学内の施設で鍼灸治療も行っています。今月から始まる連載では、鍼灸理論に基づく特効ツボをご紹介しながら、読者の皆さんが自宅で手軽に実践できるツボ療法をご紹介したいと思います。

東洋医学におけるツボは、2千年以上の歴史があります。先人たちによって確かめられたツボの効果は書物や記録にまとめられ、現在ではWHO(世界保健機関)が認定するツボの数は366ヵ所もあります。

ツボ治療の魅力は、正しく行えば、自分で実践しても効果が現れることです。経済的な負担も少なく、自宅で毎日手軽にできる究極の健康法といえるでしょう。

1回目にご紹介するのは、「(あし)(さん)()」のツボです。江戸時代の俳人・(まつ)()()(しょう)は、みちのくを旅したとき、足三里に灸をすえることで旅の疲れを()やしたとされています。また、足三里には(しょく)(しょう)(食中毒)に対する効果もあります。長い旅を無事に終え、古典の名作『奥の細道』が生まれた背景には、足三里の存在があったのです。

足三里については、男性として日本一長生きされた記録を持つ(はら)()()()(ろう)博士のエピソードもご紹介しましょう。原博士は、結核に感染させたウサギに灸をすえると抵抗力が増すことを実験で突き止め、博士号を取得されました。その後、原博士はお灸の効果を実証するために、みずからお灸を足三里にすえて過ごしました。その結果、104歳まで聴診器を持ち、現役の医師として活躍されたのです。26万人余りの患者さんを()られた博士は、108歳で天寿をまっとうされました。

さまざまな伝説がある足三里のツボを刺激して、毎日の健康管理に役立ててください。

由来
足三里の「里」は、村や住んでいるところという意味があり、「集まる」「通じる」ことを指します。

「三」は、ひざ下外側のくぼみから三寸の位置にあるという意味があります。また、腹部を三区分して、上焦(へそから上の部分)、中焦(へそを中心とした部分)、下焦(へそから下の部分)の病気を治療するツボという意味もあります

効能
胃痛・食欲不振・胃下垂・腹痛などの消化器系疾患や脚の疲れ、自律神経失調症、ひざ痛、歯痛など

押し方
爪の色が白っぽくなる程度が適度な刺激です。親指をゆっくり5~6回ほど回転させながら、心地いい圧で押しましょう

お灸のすえ方
お灸は、もぐさをひねってすえるのが理想的ですが、慣れないとやけどの原因になります。ドラッグストアなどで売っている円筒灸(筒の中にもぐさが入っているお灸)を活用しましょう。メーカーにもよりますが、燃焼時間は5分程度です。途中で熱くなったら取り除きましょう。お灸をすえた部分の皮膚が少しピンク色になる程度が適度な刺激です。熱さを我慢すると水ぶくれになるので注意しましょう