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腸は末期ガン患者を救う?腸内環境がガンや生活習慣病の重大な要因だった!

がん治療の進化を目撃せよ!

日本先進医療臨床研究会代表 小林 平大央

日本人の多くが悩む便秘は“万病の元”で末期ガン患者の約9割が便秘であると判明

[こばやし・ひでお]——東京都八王子市出身。幼少期に膠原病を患い、闘病中に腎臓疾患や肺疾患など、さまざまな病態を併発。7回の長期入院と3度死にかけた闘病体験を持つ。現在は健常者とほぼ変わらない寛解状態を維持し、その長い闘病体験と多くの医師・治療家・研究者との交流から得た予防医療・先進医療・統合医療に関する知識と情報を日本中の医師と患者に提供する会を主催して活動中。一般社団法人日本先進医療臨床研究会代表理事(臨床研究事業)、一般社団法人ガン難病ゼロ協会代表理事(統合医療の普及推進)などの分野で活動中。

いま、日本人の多くが便秘で悩んでいます。便秘は“万病の元”ともいわれる厄介な状態です。内科医師の(おお)()(しゅう)()先生の著書『がんは腸で治る!』などでは、“末期ガン”と呼ばれるステージⅣのガン患者さんの9割近くが便秘であると指摘されています。末期ガン患者さんの場合、便秘を解消することは重要な治療の1つです。なぜなら、便秘はガン治療の成果に大きな影響を与える免疫や脳内ホルモンの増産と直結するからです。

便秘とは、腸内に食物のカスや腸内細菌の()(がい)などの腐敗物を長時間ため込むことで免疫力の低下を招く現象です。体を守る免疫力の約七割は腸内で作られることが分かっています。腸内環境の乱れを引き起こす便秘は、健康上の大問題なのです。

さらに、最近の研究成果から、これまで脳内で多くが作られると思われていた脳内ホルモンであるセロトニンやドーパミンなどが、実は脳内よりも腸内で多く作られていることが分かってきました。セロトニンやドーパミンは人の情緒や性格に深く関係するホルモンです。つまり、人の情緒や性格は、脳よりも腸の状態に左右されるのです。

ところで、腸内環境の乱れはなぜ起こるのでしょうか? また、便秘の原因は何なのでしょうか? 現在、便秘の主な原因は「(ちょう)(ない)(さい)(きん)(そう)の乱れ」にあると考えられています。「腸内細菌叢の乱れ」を誘発する主な要因は、次の5つと考えられています。①腸内細菌に悪影響を与える食品や飲料の多量摂取、②繊維質の不足、③水分不足、④運動不足、⑤ストレスです。

便秘を防ぐためには「腸内細菌叢の乱れ」を防ぐこと、つまり「腸内細菌叢の乱れ」を誘発する5つの要因を取り除くことが重要となります。「腸内細菌叢の乱れ」を防ぐ活動を「腸活」といいます。

まず「腸内細菌に悪影響を与える食品や飲料」とは何か? 簡単にいえば、自然でない食品や飲料のことです。(いにしえ)より人の腸内に住み着いている腸内細菌は、自然な食物を分解して栄養とすることで生きてきました。その過程で、ビタミンやミネラルや必須脂肪酸など、人が作れないさまざまな有用物質を供給することで共生を行ってきたのです。

ところが、食品化学が高度化した現在、(ちまた)には腸内細菌に悪影響を与える不自然な食品や飲料があふれかえっています。お菓子やケーキなどに使われる〝食べるプラスチック〟と呼ばれるマーガリンやショートニングなどの不自然な油、ジャンクな加工食品などに使われる酸化防止剤や保存料、色素、アミノ酸類などの「合成食品添加物」がその代表です。

また、ダイエット飲料などに使われる合成甘味料は不自然な飲料の代表でしょう。不自然な原料が使われているケーキやお菓子やジャンクフード、ファストフード、(そく)(せき)(めん)、菓子パンなどといった合成添加物なしでは製造できない不自然な食品はできる限り避けることをおすすめします。

日本には、古くから腸内細菌叢にとって非常に有益な優れた有用微生物を多く含む食品がたくさんあります。例えば、漬物や納豆、みそ、しょうゆ、酢などの発酵食品です。

大場修治先生の著書『がんは腸で治る!』(右。自由国民社)と、能勢博先生の著書『ウォーキングの科学』(左。講談社)

次に「繊維質の不足」ですが、繊維質には水溶性と不溶性の2つがあり、どちらも必要です。そこで、私が代表を務める日本先進医療臨床研究会では、次の語呂合わせで優良な食材の選び方をお伝えしています。「孫にわ激しく優しい祖父母(まめ・ごま・ニンニク・わかめ・発酵食品・玄米・しじみ・果物・野菜・魚・シイタケ・いも・そば・フコイダン・ボタンエビ)」。ぜひ積極的にとるようにしてください。

3つ目の「水分不足」ですが、人は尿や便や汗などで1日約2.5㍑の水分を失っているといわれています。これに対して、食事などで補給する水分は約1㍑なので、追加で約1.5㍑の水分を補給しないといけません。そこで、毎日コップに7~8杯の飲料を摂取することを推奨します。起床時と就寝時のほかに1日3食の前後にコップ1杯ずつ水分をとれば、約8杯です。人は体内の水分の2%以上を失うと体調をくずしはじめます。十分な水分の補給は、熱中症だけでなく、生活習慣病や認知症の対策としても有効です。

4つ目は「運動不足」です。生活習慣病の原因の1つは加齢性筋肉減少症(サルコペニア)であることが判明しています。運動不足を解消するため、当会では「インターバル速歩」を推奨しています。インターバル速歩は、本人がややきついと感じる早歩きとゆっくり歩きを3分ずつ交互に行う運動のことです。

インターバル速歩を1日5セット、週に4日以上行いましょう。インターバル速歩を5ヵ月間続けると、体力(最高酸素消費量)が最大20%向上すること(十歳以上若返った体力が得られること)、生活習慣病の症状が20%改善することなどが(しん)(しゆう)大学学術研究院医学系特任教授の()()(ひろし)先生らの研究で判明しています。

最後は「ストレス」です。ストレスには「精神的ストレス」「物理的ストレス」「化学的ストレス」などがあります。しかし、ストレスをすべて避けることは不可能です。そのため、できるだけ「ストレス」をためないように気をつける生活が重要となります。そこで、当会では次の語呂合わせでストレスに負けない生活習慣を推奨しています。「寝耳にわさび(熱・水・ミネラル・日光・笑い・酸素・ビタミン)」。

「寝耳にわさび」の「ね=熱」「さ=酸素」は体温や温熱療法に関わる部分です。「み=水」「み=ミネラル」「び=ビタミン」は主に食事や栄養に関するものです。そして、「に=日光」「わ=笑い」は主にストレスに関する部分です。日頃から注意するため、ぜひ覚えておきましょう。