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その13:健康情報のウソ・マコト「糖尿病患者はお酒を飲んでもいい?」

大野秀隆先生の「長寿の哲学」

理学博士 大野 秀隆

[おおの・ひでたか]——1930年、東京都生まれ。1953年、東京薬科大学卒業。東京大学医学部薬学科薬品分析化学教室で研究を重ねる。薬剤師。理学博士。画期的な発想から開発した悪臭対策エキス(OS液)が国内外のメディアで「消臭革命」として報道される。以後も研究を重ね、あらゆる世代を対象とした悪臭問題の解決に取り組んでいる。

「糖尿病患者はウイスキーなら飲んでもいいが、ビールはよくない」といわれます。本質的にはその考えは誤りです。総カロリー及び、ほかの栄養とのバランスを配慮すれば、ウイスキーでも日本酒でもビールでも同じことなのです。

ただし、それぞれのお酒の種類に含まれているほぼ同じ量のアルコールを飲んだとすれば、カロリー面を考えると大きな差があります。特にビールの場合は顕著で、アルコール量に比べてカロリーが大です。しかも糖質が多く含まれていますから、ウイスキーや日本酒とは別の配慮が必要といえます。この配慮を怠ると、カロリーや糖質の摂取量が過剰となって、糖尿病が悪化する危険度が高まります。

では、どのようにして禁酒をしたらいいのかというと、まずは、総カロリーの枠を守り、栄養素のバランスを大きく崩さないことです。そのためには、アルコールの摂取量は日本酒に換算して180ml、つまり1合程度にします。また、治療に悪影響を及ぼさないように、過剰に酔っ払うのも控えましょう。晩酌をするときは、アルコールの摂取量を明確に定めて、その量を織り込んだ食事の計算を立てるべきです。 アルコールは主として脂肪と交換して考えるのが望ましいのですが、ビールなどの糖質が多く含まれるお酒を飲むときは、ビールの部分のカロリーは糖質と交換します。すでに合併症が起こっている糖尿病の患者さんは、禁酒しなければなりません。