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「めまい」のツボ 内関・太衝

よっしー先生の特効ツボはここでヨシ!

帝京平成大学ヒューマンケア学部鍼灸学科准教授 大山 良樹

[おおやま・よしき]——大阪産業大学経営学部、明治鍼灸短期大学鍼灸学科卒業。明治鍼灸大学助手・講師を経て、2008年から現職。日本東洋医学会、日本健康科学学会所属。

めまいは、医療機関を受診される患者さんの中で比較的多く起こる症状の一つです。ひと口にめまいといっても、「回転性のめまい」「非回転性のめまい」の二つに大別されます。いずれのめまいもなんらかの原因によって起こっている可能性があるため、専門医の検査が必要です。

回転性のめまいが起こる原因の一つとして、耳の奥にある(さん)(はん)()(かん)の影響が考えられます。三半規管の中は液体で満たされていて、前後・左右・上下の動きを感知する役割があります。頭を動かすと、三半規管の中にある液体の動きや流れを神経が感知し、脳に伝えます。三半規管の機能が正常であれば平衡感覚を保てますが、異常が起こるとグルグルと目が回るようなめまい(回転性のめまい)を発症します。

【回転性のめまい】

良性発作性頭位めまい症
(ない)()にある「()(せき)」という炭酸カルシウムの(かたまり)がなんらかの原因ではがれ落ち、三半規管の中に入り込むことで起こるめまいです。耳石が三半規管の中を移動して満たされている液体が動くと、神経が感知して脳に信号を送ってしまいます。その結果、頭は動いていないのに動いているように感じて、めまいが起こるのです。病名に「良性」とつくのは、この症状とよく似た症状を起こす(しゅ)(よう)などの「悪性」と区別するためです。

メニエール病
三半規管の中の液体が増えて起こる疾患です。この液体は聴覚器官の蝸牛(か ぎゅう)と共有しているため、メニエール病にかかると、めまいと同時に外部からの音が聞き取りにくくなる難聴の症状も起こりやすくなります。メニエール病は、点滴や服薬などを用いる治療を受けることで改善傾向が見られますが、繰り返し起こることも多い特徴があります。発作を繰り返すと難聴も進行することが多いので、メニエール病と感じたら、初期の状態から早めに耳鼻(いん)(こう)科の専門医に()てもらうことが大切です。

【非回転性のめまい】

(けい)()筋緊張型めまい
頸部周囲の筋肉が異常に凝り固まって起こるめまいです。多くはフラフラ感があり、回転性の要素が加わっている場合もあります。

血圧変動によるめまい
いわゆる立ちくらみの状態で、「起立性低血圧」といわれています。一時的に脳への血流減少が生じて、ふらつき感を起こします。

【重篤なめまい】 

急激に起こるめまいのうち、3~5%は脳卒中(脳出血・脳(こう)(そく))などが原因とされ、回転性のめまいとともにしびれや脱力感、ろれつが回らないなどの症状が起こります。このような症状が現れた場合は急を要するため、救急外来や脳神経外科の受診が必須です。

では、めまいに効果のあるツボを二つご紹介しましょう。

一つ目の「(ない)(かん)」のツボは、乗り物酔いや精神的緊張状況にある場合に効果があります。私事ですが、学会発表などの緊張するような状況のときに「(えん)()(しん)」(絆創膏(ばんそうこう)のついた貼り付けるタイプの(はり))を「内関」のツボに貼ると、30分もたたないうちに気分が落ち着いて、リラックスした状態で発表できます。

また、二日酔い防止のために「内関」のツボに円皮鍼を貼っておいたときは二日酔いにならず、いつもよりお酒が進んで楽しいひとときを過ごすことができました。このように、円皮鍼を貼付するのもよい方法ですが、ツボ刺激もぜひ試してみてください。親指の指腹で円を描くように5秒間押し当てて刺激します。これを5回、計3セット行いましょう。

(たい)(しょう)」のツボは、女性に多い「冷え症」に効果のあるツボでもあります。「太衝」のツボも、親指の指腹で円を描くように5秒間押し当てて刺激します。これを5回、計3セット行うことで効果が期待できるでしょう。

由来
【内関】内関の「内」は内臓、「関」は出入りの関所を意味し、主に内臓を調整する働きがあります。特に、右の内関は、内臓の血流の流れをよくするといわれ、左の内関は、心機能の調整をするといわれています

【太衝】「太」は、大きく豊かな形状を意味しています。「衝」は要所やつき動かす意味で、旺盛な気血(エネルギー)が巡る場所ということから名づけられました

効能
【内関】めまい、乗り物酔い、二日酔い、動悸、胃の不快感、不眠、自律神経失調症など

【太衝】精神的ストレス、眼精疲労、めまい、消化不良、肝機能障害、冷え症、腰痛、生殖器・泌尿器疾患など