きのこ総合研究所主任 森光 一郎さん
軽症の認知症患者の認知力が向上した
山に囲まれた長野県に海の幸はありませんが、山の幸が豊富です。特に、栽培されるキノコの出荷量は日本一を誇ります。長野県で栽培されるキノコの中で、注目を集めているのがヤマブシタケです。
ヤマブシタケには、認知症患者さんの認知機能改善作用が期待されています。きのこ総合研究所主任の森光一郎さん(薬学博士)にヤマブシタケの機能性について伺いました。
「ヤマブシタケには認知機能の改善効果が期待されています。私たちの研究で、軽症の認知症患者さんを対象に、認知症の診断で広く使われている改訂・長谷川式簡易知能評価スケールを使い、認知機能を測定しました。ヤマブシタケを飲んでいた患者さんは8週めから点数が上昇しはじめました(「ヤマブシタケの認知機能改善作用」のグラフ参照)。さらに、摂取をやめた16週めから点数の低下が見られたのです。認知機能が改善したのはヤマブシタケの働きだと考えられます」
ヤマブシタケに含まれる成分が、脳内の神経細胞を活性化させるグリア細胞に働きかけることで、認知機能の低下を防いでいると考えられています。
「ヤマブシタケには、抗炎症作用のほか、糖尿病や脳梗塞の予防など、多くの働きが期待できることがわかっています。ヤマブシタケは酢の物やお吸い物にして食べるのがおすすめです」