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乾癬の治療は大変だけど、応援してくれる全国の人たちに笑顔を届けていきます!

有名人が告白
タレント・歌手・俳優 はるな愛さん

幼少時からアレルギー体質です。うなじやひじ、足に湿疹が現れて医師から乾癬と診断されました

[はるな・あい]

1972年、大阪府生まれ。幼少時代より歌手活動を始め、学生時代はショーパブの舞台に立って人気を集める。ニューハーフタレントとしてデビュー後、歌手の松浦亜弥さんのモノマネ〝エアあやや〝でブレイク。以後、世代を超えた人気を得る。『ミス・インターナショナル・クイーン2009』優勝。2010年の『24時間テレビ~愛は地球を救う~』(日本テレビ系)でマラソンランナーに抜擢され、85㌔を完走。現在はタレント・歌手・俳優の他、実業家としても活躍。

私は小さい頃からアレルギー体質でした。体のかゆみがひどいときは、かきむしった皮膚から出血してパジャマや布団に付いてしまうこともありました。心配した両親が薬局に行って、薬剤師さんに相談することもあったそうです。薬剤師さんからすすめられた肌のケアをいろいろ試しても、アレルギーは改善しませんでした。病院で診察を受けても、「アレルギーが原因と思われる湿疹です」といわれるだけで、明確な診断や治療を受けることはありませんでした。

中学生や高校生になると、肌の湿疹やかゆみは少し落ち着くようになりました。「なぜ治まったのかな」と考えてみると、そのときは夢中になれることがあったんです。当時の私が夢中になっていたのは「女性になること」。「女性になりたい!」という強い願いが、思春期の私の肌を救ってくれたと考えると、ちょっと不思議な気がします。

思春期を過ぎて成人すると、再び肌に湿疹やかゆみが現れるようになりました。私は蚊に刺されやすい体質で、1ヵ所刺されると、なぜか他の場所もかゆくなるんです。ほんとうに肌が敏感なのだと思います。

肌のトラブルに悩まされながらも、忙しさもあって本格的な治療は受けませんでした。すると、2012年頃だったでしょうか、足の皮膚がただれるようになったんです。ただれた部分をかくと皮膚が白くなって、ポロポロと落ちていきました。「ただごとではない」と思って病院に行ったら、白癬菌が原因で皮膚が白くカサカサになる白癬症と診断されました。

診断後は、みるみるうちに両ひざから足首に向かって症状が広がっていきました。仕事でミニスカートをはくときは、肌を隠すためにファンデーションを脚に塗りました。かゆみに耐えきれずにかきむしると、ファンデーションでも隠せないほど患部が赤くなってしまうので、ほんとうに困りました。しだいに頭皮やうなじ、耳の後ろにもかゆみを感じて、かぶれたような状態になりました。塗り薬や飲み薬を使っても、改善の兆しすら見られませんでした。

周囲にすすめられて鍼灸やレーザー治療も受けてみましたが、やはり効果は感じません。寝不足や疲れがたまったときは、うなじやひじ、腰、ひざ、足首が腫れ上がるほどでした。「疲れているからかな」と思いましたが、薬でも治まる気配がなく、症状は悪化していきました。「治したい!」という気持ちで多くの病院を訪れましたが、治癒どころか、明確な診断もされない日々が続きました。

つらい気持ちで病院巡りを続けてい2017年のことです。ある病院を受診したところ、診察してくれた先生から「これは乾癬です」と伝えられました。聞いたことがない病名だったので自分で調べてみると、「赤い湿疹の上に皮膚の角質細胞が積み重なった後、白くなってはがれ落ちる皮膚疾患」とのこと。乾癬の症状は頭皮やひじ、ひざに現れやすいことも知って、自分の症状が乾癬であると納得できたんです。

乾癬が起こる原因を先生に尋ねてみると、ストレスや食事など、生活習慣の乱れが疑われるといわれました。もしかしたら、私は知らないうちにストレスをためていたのかもしれません。ストレスを感じるタイプではないと思っていたので、ストレスが原因の一つと聞いて驚きました。食事も揚げ物といった脂っこいものが好きでしたから、食生活の乱れについても心当たりがありました。

乾癬と診断された後、病院から強めの飲み薬と塗り薬が処方されました。まずは3ヵ月、薬を飲んで様子を見ましょうといわれましたが、「どうしてこんなことになってしまったのか」と、精神的にかなりつらかったです。乾癬になったことを周りに話せず、「人にいえない悩みを抱えるってしんどいな」と、いつも感じていました。

「はるな愛」は明るく元気なキャラクターです。肌のトラブルがつらくても、応援してくれる方々の期待を裏切ることはできません。「乾癬であることを隠して仕事をしなければ」という思いが強かったです。

ミニスカートがはけないショックを感じながらファンデーションで肌を隠して仕事をしました

頭皮やうなじ、耳の後ろ、ひじ、ひざなど、顔以外に広がった乾癬の症状はなかなか治まりませんでした。特に脚はファンデーションを塗るだけでは隠せないほど悪化していました。大好きなミニスカートをはけないことにショックを感じながら、色の濃いタイツや、ロングスカートをはいて肌を隠すようにしました。乾癬の治療を受けていることは、スタイリストさんやヘアメイクさんなど、一部のスタッフさんだけに伝えていました。控室で衣装を着るときは、「この服を着ても湿疹は見られないかな?」と相談していました。

「肌を刺激しない生活を心がけています」

乾癬で悩まされるのが、白くなった皮膚が落ちる鱗屑といわれる症状です。鱗屑が落ちると黒い服が着られなくなりますし、ポニーテールの髪形にすると、耳の後ろやうなじが見られてしまうので、心配しながら仕事をしていました。

乾癬と診断されてから、「私と同じ乾癬にかかっている人はいるのかしら?」と、街で患者さんを探すようになりました。耳の後ろやうなじに乾癬らしき症状があったり、皮膚が赤く腫れている人を見かけたりすると、「あの人もつらい思いをしているんだな。私もがんばらなくちゃ!」と共感し、自分を励ましていました。

病院で処方された薬を3ヵ月間飲みつづけたら、赤みはきれいに引きました。ところが、疲れがたまったり、夜更かししたりすると、症状が再発してしまいました。薬を塗っている間は調子がいいのですが、衣装の素材によっては皮膚が刺激されて、ただれてしまうこともありました。処方されている飲み薬は比較的強めなので、体調によっては副作用を感じることもあります。お医者さんからは注射を使った治療もすすめられましたが、いまは飲み薬と塗り薬で症状を抑えています。

乾癬が悪化した原因として思い当たることに、運動不足があります。2010年にチャリティー番組の『24時間テレビ~愛は地球を救う~』(日本テレビ系)で24時間マラソンのランナーを務めさせていただきました。思い返せば、走る前に4ヵ月間のトレーニングをしていたときは、肌がツヤツヤで体調もよかったんです。

ところが、マラソンを完走した後は忙しさもあって、体を動かさなくなったんです。太りやすくなるなど、体形の変化も出はじめたときだったので、肌にも不調が現れたのだと思います。

以後は運動不足を解消するために、できるだけ体を動かすようにしています。以前から趣味にしているボクササイズは、いまも続けています。汗をかくのはストレス解消になりますし、何より気持ちいいですよね。その他にはヨガやウォーキングも実践しています。

朝に太陽を浴びるのが私流のパワーチャージ。これからも皆さんに元気を届けます!

野菜を中心にしたメニューを作るようにしています。ご飯とみそ汁、脂分を控えたお総菜など、シンプルな和食をいただくことが多いです。お酒を飲んだ翌日は湿疹が出やすいので、飲酒はできるだけ控えています。

お風呂も肌のケアにつながる入り方を心がけています。入浴剤の代わりにコップ一杯の日本酒と塩を浴槽に入れ、時間をかけて入浴します。クエン酸と重曹を浴槽に入れた、炭酸水風呂に入ることもあります。体は弱酸性の石けんを使って、優しく洗っています。肌を刺激しないように、パジャマや寝具は100%コットンの素材を選んでいます。

朝起きたときに、太陽を浴びるのが毎日の習慣です。目を閉じて、まぶたに太陽の光を当ててパワーをチャージします。車での移動中も窓を開けて、太陽の光を浴びるときもあります。乾癬になってから、健康でいられることのありがたさを、あらためて感じるようになりました。

「いまの私があるのは応援してくれる皆さんのおかげ」と語るはるなさん。恩返しの気持ちでボランティア活動に参加している

最近では、子ども食堂の運営や被災地のボランティア活動に参加させていただいています。被災地を訪れて、皆さんが笑顔になってくれると「行ってよかった」と思います。私が元気をいただくこともあるんですよ。子ども食堂は施設の子どもたちを中心に招待していましたが、今後は東京都世田谷区のNPO法人さんと連携して展開していく予定です。

ボランティア活動への関心が高まったのも『24時間テレビ』の影響です。マラソンをしているとき、沿道からいただいた多くの方の応援が私の背中を押してくれたんです。85㌔のマラソンを完走できたのは、皆さんのおかげ。好きなお仕事ができるのも、多くの方々の支えがあるからです。応援してくれる皆さんに少しでも恩返しできればと、微力ながら活動を続けていきたいと思っています。
 

この記事は「健康365」2018年12月号に掲載されています。