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絶望感に包まれているがん患者さんに希望の光を届けたい!

杉浦貴之の「治す力は自分の中にある!」
ミスター・メッセンジャー 杉浦 貴之

[すぎうら・たかゆき]——1971年、愛知県生まれ。28歳のときに腎臓がんを発症し、両親には余命半年、2年後の生存率0%と告げられ手術を受ける。以後、『メッセンジャー』編集長兼シンガーソングランナーとして精力的に活動中!

7月に名古屋で開催された「がん~最後まで生ききるとは~ホリスティックアプローチ会2019」でお話をさせていただきました。

いっしょに登壇した医師の船戸崇史ふなとたかし先生(船戸クリニック院長)が「死を見つめる~メメント・モリ」、高橋信雄たかはしのぶお先生(高橋ファミリークリニック院長)が「生き切るを邪魔するもの~不安と執着」というテーマで講演をされ、がん経験者の私は「生を見つめる~生きる希望を持つ」というテーマで話をしました。

船戸先生、高橋先生の講演からは、ほんとうにたくさんの学びがありました。船戸先生からは、「メメント・モリ(死を思う)とは、同時にカルペ・ディエム(いまを生きる)である」と、事例を紹介しながら分かりやすく伝えていただきました。高橋先生からは、コンフォートゾーン(居心地のいい場所)を広げていくことの大切さを教えていただきました。さらに、いまのコンフォートゾーンを外れた未知の領域(未来の自分の姿)にゴールを設定することで、人生の可能性が広がっていくことも学びました。

私は〝希望〟というテーマでメッセージを伝えました。生きる力を引き出してくれた以下の4つの希望が、がんの治療効果を高め、自己治癒ちゆ力を引き出してくれたと思っています。

①「一人じゃない」という希望(連帯感)
「余命半年なんて冗談じゃない! 息子の生きる力を信じる!」と、医師からの余命告知を跳ね返してくれた両親の思いがどれだけ心強かったか。一人荒波に放り出されたような孤独感から私を救ってくれました。その後、医療関係者やがん患者の仲間が、連帯感をより強くしてくれました。

②「治る可能性がある」という希望(マインドセット)
病院のベッドに積み上げた、がんの克服本。実際に会いに行った著者やたくさんのがんサバイバーたちとの出会いで、自分も治る可能性があると確信しました。また、いただいた情報から、病院の治療以外でも治る可能性を高めてくれる(再発を防いでくれる)ものが無数にあることを知りました。それが大きな希望となり、安心感につながりました。

③「自分は自分でいい」という希望(自己受容)
病床で、母の「生きていてくれるだけでうれしいよ」という言葉に涙しました。「生きているだけで価値がある。いまの自分でOK。これからも生きていていいんだ」と思えたことが大きな希望になりました。

④「幸せになっていい」という希望(人生の目的)
看護学生から「杉浦さんの夢は何ですか?」と聞かれたことがきっかけで、「夢を持っていい。遠慮することはない。病気になる前より幸せになっていい」と思えたことが大きな希望になりました。

岡山県で開催されたトーク&ライブのワンシーン。歌に込められた杉浦さんのメッセージは全国各地で大きな共感を呼んでいる

言葉一つで、人は変わります。出会い一つで、人生は変わります。私はがんの告知を受けたとき、足の震えが止まりませんでした。絶望感に襲われて、ほんの数秒前の自分とはまったく違う自分になってしまったのです。反対に、憧れのがんサバイバーに出会い、「大丈夫!」と言ってもらえたときは、希望に満ち、数秒前の自分とはまったく違う自分になっていました

絶望感に包まれているがん患者さんに、希望の光を少しでも届けてあげられたらと思います。私が主催する「がんサバイバーホノルルマラソン」も、これらの4つの希望がすべて含まれていることに気づきました。

仲間と連帯感を育み、レジェンドサバイバーが新人サバイバーに生きる可能性を伝え、お互いの存在を認め合い、ともに喜びのゴールに向かっていきましょう。世の中全体が、そんなコンフォートゾーンになったらいいと思っています。

杉浦貴之 | 「命はやわじゃない」、がん・余命半年から20年を経過し、ますます元気になった男が伝えるメッセージ
杉浦貴之「がん余命半年から16年目を迎えて」 マガジンと歌とRUNで伝える「命のメッセンジャー」