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世界最高レベルの遺伝子検査「TAQ検査」でガンや免疫、老化の動向をいち早く知る!

がん治療の進化を目撃せよ!

日本先進医療臨床研究会代表 小林 平大央

医療現場で世界最高レベルの遺伝子検査として注目される「TAQ検査」とは?

[こばやし・ひでお]——東京都八王子市出身。幼少期に膠原病を患い、闘病中に腎臓疾患や肺疾患など、さまざまな病態を併発。7回の長期入院と3度死にかけた闘病体験を持つ。現在は健常者とほぼ変わらない寛解状態を維持し、その長い闘病体験と多くの医師・治療家・研究者との交流から得た予防医療・先進医療・統合医療に関する知識と情報を日本中の医師と患者に提供する会を主催して活動中。一般社団法人日本先進医療臨床研究会代表理事(臨床研究事業)、一般社団法人ガン難病ゼロ協会代表理事(統合医療の普及推進)などの分野で活動中。

現在、医療現場で世界最高レベルの遺伝子検査として知られる検査に「TAQ(タック)検査」があります。TAQは「Telomerase-Activity-Quantification」の頭文字で、「テロメレースの活性度を測る検査」という意味です。

テロメレースは、テロメアに関わる酵素(ある物質をほかの物質に変化させる時に働くたんぱく質)です。テロメアというのは、染色体の端に位置している生体物質で、細胞が分裂する際に少しずつ短くなることで細胞分裂の回数を制限し、細胞の寿命を決定する役割を果たすと考えられています。テロメアを延ばすことが判明したたんぱく質が、テロメレースという酵素なのです。

生体内のたんぱく質は、遺伝と環境の影響によって必要に応じてDNAの命令によって作られます。といっても、DNAから直接たんぱく質が作られるわけではなく、まずDNAの命令によってたんぱく質を作る設計図「メッセンジャーRNA」という遺伝子が作られ、メッセンジャーRNAをもとにしてたんぱく質が作られるのです。

出来上がったたんぱく質は、細胞や臓器などの体の材料になるだけではなく、酵素としてさまざまな働きをします。特定の働きをする酵素の量を測ることで体に起こる変化や異常などの状況を知ることができるのです。

これまでの医療では、酵素などの特殊な用途のたんぱく質の量を測ることで体の好不調の目安としてきました。しかし、人間の体の中では、たんぱく質よりメッセンジャーRNAがおよそ24時間前に作られています。つまり、たんぱく質の設計図であるメッセンジャーRNAを体液中で検出できれば、24時間以内に体内で起こる病態を把握することができるのです。

そのため、世界中でメッセンジャーRNAを正確に測る技術が研究されてきました。中でも、現時点で世界最高レベルのメッセンジャーRNA測定ができる特許技術を持っているのがTAQ検査なのです。TAQ検査では、メッセンジャーRNAを唾液(だえき)でも血液検査と同等レベルの正確さで測れます。そのため、痛みを感じることなく、自宅でも検査することができるのです。

といっても、唾液自体にDNAは含まれていません。唾液には粘膜(ねんまく)細胞などが含まれていて、その細胞内にDNAやRNAが存在しているのです。唾液が乾いてしまっても、比較的安定した状態で残っている粘膜細胞から検査をするには十分な量のDNAやRNAを採取することができます。

テロメレースはテロメアを合成する酵素ですが、ガンの90%以上が増殖のために利用していることも判明しています。テロメアは正常細胞では細胞分裂を繰り返すたびに短くなっていきます。これを「細胞老化」といいます。テロメアがある程度短くなるとそれ以上細胞分裂ができなくなり、通常の細胞は死滅します。テロメアは老化の時間を刻むタイマーとして働いていて、体内で細胞が異常増殖してガン化するのを防いでいるのです。

これに対して、ガン細胞は細胞分裂を繰り返してもテロメアが短くならないようにテロメレースを多量に合成し、テロメアが短くなるのを防ぎながら細胞分裂を繰り返して増殖しつづけています。そのため、ガン細胞では、正常細胞とは比較にならないほど多量のテロメレースが存在しているのです。

「テロメアを延ばす酵素」と聞くと、テロメレースが多量にあったほうが体に良いような気がしますが、実際には逆で、テロメレースが多量に発現している場合にはガンになりやすい体質に近づいているリスクが示唆されるのです。

その証拠に、テロメレースが多量に発現している場合のガンの検出率は、なんと約90%以上に上ります。中でも、非常に予後が悪く早期に発見しにくいガンとして有名な神経芽細胞腫(しんけいがさいぼうしゅ)で94%、膵臓(すいぞう)ガンで95%、肺小細胞ガンや肉腫(にくしゅ)では100%という検出率です(上のイラスト参照)。

そこで、テロメレースが体内で活性化する一歩手前のメッセンジャーRNAの段階での活性度を測ることで、血液検査や画像検査でガンと診断されるよりもかなり早い段階(例えば、ステージ0のような超早期の段階)でガンを予測するリスク判定の指標とすることができると期待されているのです。当会では、今後すべての治療症例研究でTAQ検査を導入していく予定です。