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その14:健康情報のウソ・マコト「二日酔いに迎え酒は効く?」

大野秀隆先生の「長寿の哲学」

理学博士 大野 秀隆

[おおの・ひでたか]——1930年、東京都生まれ。1953年、東京薬科大学卒業。東京大学医学部薬学科薬品分析化学教室で研究を重ねる。薬剤師。理学博士。画期的な発想から開発した悪臭対策エキス(OS液)が国内外のメディアで「消臭革命」として報道される。以後も研究を重ね、あらゆる世代を対象とした悪臭問題の解決に取り組んでいる。

体質にもよりますが、急性アルコール中毒の問題が起こるのは、標準的にはアルコールを100g飲んだときの現象です。日本酒なら2合2勺、ビールだと大瓶2本半~3本。これらに含まれるアルコールの量が体内に入ったときの血液中のアルコール濃度は、0.15%程度。体からアルコールが抜けていく速度は、1時間につき日本酒で7勺程度の割合ですから、お酒を多量に飲むと、眠りから覚めたときにもまだアルコールが残ってしまうのです。

二日酔いを起こしたときに、いわゆる「迎え酒」をすると体がらくになるという人がいます。これは、残ったアルコールによって苦痛を感じている脳をマヒさせるからです。迎え酒を飲む習慣がつくと飲むピッチが上がり、多くの量のお酒を飲めるようになります。その結果、待っているのが慢性的なアルコール中毒症です。アルコール中毒症になると、人格がだらしなくなって、やがては幻覚症状や妄想が起こるようになります。嫉妬深くなり、認知機能の低下が見られる場合もあります。激しい苦悶や支離滅裂な躁鬱状態、てんかんのようなけいれんを起こすことさえあります。

二日酔いを起こしたときは、迎え酒は禁物です。水をたくさん飲んで、アルコールをできるだけ早く体外に出すように努めましょう。何よりも、ひどい二日酔いをしないように、無茶な飲酒を控えることが大切といえるでしょう。