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「グリーンハート365運動」で体温の大切さを提唱!

ニッポンを元気に!情熱人列伝

株式会社LOUVREDO 代表取締役 太田 丈盛さん

健康産業に携わる多くの企業は、健康に対する独自のこだわりやゆるぎないコンセプトを持って展開しています。斬新なヒット商品を世に送りつづける太田丈盛さんにとってのキーワードは「36.5℃」。「適切な体温こそ健康寿命を延ばす源」と話す太田さんを『健康365』編集部が取材しました。

「患者の多くは低体温」という講演会を聴いて体温の大切さを実感

[おおた・たけもり]——1962年、滋賀県生まれ。10年間の電子機器産業を経て 健康産業へ転身。エステティックサロンの経営や美容・健康関連商品の企画開発に携わり、2004年にツバメの巣ドリンクの販売で大ヒットを飛ばす。以後、細胞レベルでの美容・健康効果を独自に研究し、エレキパックやインナーエステメルモなど、〝美容業界の革命製品″といわれるイテムを開発。現在までに開発した商品は100種類近く、特許取得は5件に及ぶ。健康維持における体温の大切さを啓発する「グリーンハート365」運動も展開。

健康の維持や増進を図るうえで欠かせないキーワードといえるのが「体温」です。私たちの体に備わっている「免疫」を例に挙げると、平熱から1℃上昇すると免疫力が5~6倍高くなり、逆に1℃下がると3割低下するといわれています。ほかにも、体温の上昇によって血流がよくなると、全身の細胞に酸素が正しく届くようになります。健康への意識を高めることは、すなわち体温について考えることでもあるのです。

健康と体温の関係にいち早く注目し、36.5℃の体温を保つ大切さを提唱する「グリーンハート365さんろくご運動」を展開しているのが、株式会社LOUVREDOの代表を務める太田丈盛さんです。同社は「復元ドライヤー」をはじめ、従来の常識をくつがえす画期的なコンセプトの健康・美容製品を開発する企業として、業界では知られた存在。さまざまな製品のラインナップが揃う中、コンセプトの根幹になっているのが「36.5℃の体温」なのです。『健康365』ともご縁がありそうな「サンロクゴ」という数字にこだわる理由について、太田さんに伺いました。

「私が初めて健康産業に入ったのは、霊芝研究の第一人者として知られる農学博士の桐ケ谷紀昌先生の講演会でした。今から30年前の話です。『成人病撃退講演会』と題された講演会で、桐ケ谷先生は高血圧や糖尿病、肝臓病、がんに至るまで、さまざまな疾患の患者データを紹介しながら、『これらの患者さんたちは総じて体温が低い』と主張されていました。さらに桐ケ谷先生は、生活習慣を見直すことで体温が上がり、ある数字の体温を境に病気の改善が見られるようになったと話されていました。その境界線となったのが36.5℃だったのです」

当時はまだ「免疫力」という言葉が一般的ではない時代です。一方で、食事をはじめ、生活の欧米化が進んで生活習慣病(当時は成人病)の患者が急増し、改善につながる情報が求められていた時代でもありました。生活習慣病の患者さんが増えているという報道を見るたびに、「健康と病気の境界線」について疑問を感じるようになっていた太田さんは、桐ケ谷博士の講演に強い衝撃と感銘を受けたと当時を振り返ります。

「桐ケ谷先生の講演は生活習慣病の改善に関する内容が中心でしたが、私は先生が主張されていた『36.5℃』という数字に興味を持ちました。体温はすべての人に共通するキーワードですし、簡単に測ることができます。誰もが取り組めると思いました」

以後、桐ケ谷博士の講演会に幾度か足を運び、全国行脚にも同行したという太田さん。桐ケ谷博士から直接、多くの学びを得られた機会にも恵まれたそうです。

「ある時、桐ケ谷博士に体温と健康の因果関係を単刀直入に尋ねたことがありました。先生は、『体温の研究者が少ないのではっきりしたことはいえない。ただ、私が見た被験者の体温変化から考えると、体温の上昇に伴って健康度も高くなることは間違いない』とおっしゃってくれました」

当時の太田さんは、産業機器やパソコンメーカー、ゲーム機器製造に携わっていました。需要がある機械や機器は、利便性と効率性に優れています。太田さんは取り扱う機械に不具合が出て修理をする際は、「不具合の原因・修理の内容・改善の度合い」の因果関係を詳細に把握していました。根っからの研究者思考である太田さんは、「人間の体にも健康と不健康の因果関係があるのではないか」と考えたそうです。

「機械やロボットの不具合には必ず原因があります。電子回路、プログラミング、バッテリーなど、想定される原因を1つひとつ調べて突き詰めれば、再び動くようになります。人間の体について考えると、生活習慣病になって改善する人がいれば、悪化してしまう人もいます。その分かれ目は何なのか、ずっと気になっていたんです。桐ケ谷先生の講演を拝聴しながら、自分なりに考えると、健康と不健康の境界線は、食べものや睡眠、運動といった生活習慣に起因されることが多く、最大の決め手となっているのが体温ではないかと考えるようになりました」

桐ケ谷博士の講演から大きな気づきを得た太田さん。「世の中に対する使命を感じた」と当時の心境を振り返ります。

健康と体温のコンセプトから細胞の再生・復元をテーマとした製品を開発

「体温と健康」という志から、体温を上げる独自製品の開発に取り組みはじめた太田さん。言葉でいうのはたやすいものの、誰もが簡単に健康的な生活を営むための製品を開発するのは途方もないことです。

「高い血圧を下げたり、血流を改善させたりする治療薬はありますが、基礎体温を上げる薬は存在しません。桐ケ谷先生が話されていたように、まずは生活習慣の改善を提案しながら、健康をサポートする製品を開発しようと考えました」

太田さんは製品開発と併行して、健康と体温の知見を深めるために多くの研究者や専門家のもとを訪れたといいます。研究論文を読んで「直接話を聞きたい」と思った専門家には海外まで足を運び、アドバイスを求めることもあったそうです。

太田さんが新製品を発表する際は、メディアをはじめ多くの人が集まる

「免疫学の第一人者として知られた安保徹先生の講演会に参加したり、体温を上げることの大切さを推奨されている医師の石原結實先生の著書や勉強会にも参加したりしました。〝温活〟の第一人者である川嶋朗先生には会社の顧問になっていただき、健康と体温の関係を改めて深く学ぶことができました。そのほかにも、eクリニック代表の岡本裕先生、きのくに漢方クリニックの田中一先生、血栓溶解の研究で知られる近畿大学名誉教授の松尾理先生、たにぐちクリニックの谷口一則先生、姿勢治療家の仲野孝明先生など、多くの先生方から貴重な教えを受けました。私自身は再生医療学会の会員になり、体温と細胞の関係についての知識も得ました」

錚々たる専門家のもとに足を運んだエネルギーの源泉は「36.5℃」という数字にあるという太田さん。多くの医師や研究者から「体温が36.5℃の時に1つひとつの細胞が活動的になり、免疫力が高くなって病気が起こりにくい状態になる」という持論の正しさを認められるたびに、自信を深めたといいます。

次に太田さんが取り組んだのが、体温が36.5℃の時に活性化する細胞の働きを一段と促す方法の研究でした。多くの専門家からのアドバイスから、体温の上昇によって高めた細胞の活性をさらに高めるには、細胞に栄養を供給することが必要不可欠と分かりました。

「当時の研究テーマは『細胞再生』と『復元』でした。傷ついた細胞は老廃物として体外に排出されたり、細胞自身の自己修復機能で再生したりします。細胞の自己修復を促すには、細胞内の発電所といわれるミトコンドリアを活性化させることが大切です。さらに、細胞の代謝活性を促進させるには、マイナス電子や育成光線をチャージすればいいことが分かりました」

確立した理論をどうすれば製品化できるのか……大きな転機となったのが、エンザミン研究所との出会いです。エンザミンは、植物性素材を長期発酵熟成することにより得られる有用菌生産物質のこと。酵素が細胞を活性化させ、代謝機能を改善することが証明されていました。現在では多くの健康・美容関連製品に配合されているエンザミンですが、太田さんはどこよりも早く取り入れたそうです。

「エンザミンを取り入れた第一弾の製品として誕生したのが、健康ドリンクの『インナーエステメルモ』です。エンザミンをベースにコラーゲンやツバメの巣エキス、体内酵素を活性化させるENM、ヒアルロン酸やコンドロイチンなどを贅沢に配合しました。数値による考えは机上の論理にすぎませんから、モニタリングと試作を重ねました。完成したドリンクをモニターさんに飲んでいただくと、全員の体温が上昇して、翌日には肌が柔らかくなったという声をいただきました」

2007年に発売したインナーエステメルモは、累計200万本販売という大ヒットを記録。太田さんはその後も「体温36.5℃」のコンセプトをベースに「細胞再生」「復元」を促す製品を開発していきます。美顔器やヘアの復元剤をはじめ、2015年には美容業界を席巻した〝髪を傷めないドライヤー〟の『復元ドライヤー』を発表。業務用ドライヤーとしては驚異的といえる60万台を出荷したのです。

体温36.5℃を広める啓発活動を展開。博士の挑戦映像が大反響!

太田さんが考える真の健康とは「寿命を迎えるまで元気で美しく、自分のことは自分でできること」。その実現のために欠かせないのが、36.5℃という体温の維持です。太田さんが製品開発とともに2010年6月から取り組んでいるのが、「グリーンハート365」という啓発活動です。

「グリーンハート365の活動では、『体温36.5℃を365日!』を合言葉に勉強会やフォーラムを通じて活動を続けています。健康の維持や増進を図るうえで欠かせない低体温の問題点を訴えながら、改善のための実践法を普及することを目的としています」

現在、グリーンハート365では、生活習慣に関する5つの点を挙げて見直しを提唱しています。

食事の改善:食べ過ぎを控えて薬食同源の食事を実施
睡眠の改善:夜は12時までに就寝。7.5時間の睡眠時間を取る
運動の改善:歩くことを心がけ、正しい姿勢で暮らす
入浴の改善:41℃以下のぬるま湯でゆったり半身浴をする
栄養の改善:体の中で不足しがちな栄養素を適切にとる

以上の改善点は、少し意識を変えるだけで実践できるもの。それによって得られる健康効果は絶大と太田さんは話します。

「初めて開催したグリーンハート365のフォーラムでは、『9割の病気は自分で治せる』の著者で医師の岡本裕先生に講演を依頼しました。岡本先生は1000人以上の来場者に『国民は病院に頼りすぎです。病院は未病者を病人にしています』といった主旨のメッセージを送りました。一見すると過激かもしれませんが、真実を突いたメッセージは各メディアで取り上げられて、体温の大切さを見直していただく大きなきっかけになりました」

グリーンハート365の活動は以後も定期的に続き、フォーラムの開催は現在までに13回を数えています。

「直近に開催されたグリーンハート365の開会宣言は、医学博士の伊吹彦三先生に行っていただきました。1924生まれの伊吹先生は、御年98歳。現在も精力的に仕事をされ、プライベートではテニスを楽しまれている先生は、理想的な健康寿命の長さを体現されています。10周年のフォーラムでは、伊吹先生の〝ある挑戦〟をドキュメント映像で公開しました。それは、乗馬チャレンジです。伊吹先生は獣医をされていた経験から、「1度馬に乗ってみたい」とおっしゃっていたのですが、その夢を叶えるために岡山県にある乗馬センターにご夫婦で訪れていただきました。乗馬センターの方からは、『70歳以上の方が乗馬に挑戦するのを初めて見ました。まして100近い方が馬を乗りこなすとは……信じられません』と絶賛していました。その映像をフォーラムの参加者に見ていただいた後、伊吹先生からの言葉が強烈でした。『みなさんも何かにチャレンジしましょう!いくつになっても遅くありません。70代?私にとっては子どものような年齢ですね。あきらめずに挑戦すれば何でもできます。始めることに遅いことはありませんよ』。参加者の皆さんから大反響をいただいた伊吹先生の乗馬チャレンジですが、この前向きな姿勢が、伊吹先生を輝かせている秘訣だと思いました。体温のみならず、精神面や前向きな生き方も健康寿命に大きな影響を及ぼすことに改めて気づかされました」

「自分の体温を知ることは、自分の命を知ること」。これは、太田さんが製品開発やグリーンハート365の活動を通して世の中に届けたいメッセージ。現在もウェブサイトで「第13回目のグリーンハート365」を開催中です。太田さんは低体温の怖さを伝えるために、これからも「36.5℃」の数字にこだわっていきたいと元気に話してくれました。