プレゼント

“食べる断食”で健康的に心身をリセットしてみませんか?

ニッポンを元気に!情熱人列伝

テラキッチン主宰 自然食Lifeサポーター 木山 純子さん

28歳で出合ったマクロビオティックが大きな転機になりました

[きやま・じゅんこ]——栄養士・調理師。西洋・日本料理をはじめ、マクロビオティックや薬膳、発酵食など、さまざまなジャンルの料理研究をもとに料理教室を主宰。オーストラリアで日本の羊羹に関する研究の発表をするなど、情報発信も展開。現在は奈良県を拠点に活動し、医療法人勤務で携わった食の指導経験を活かして食生活の改善や断食プログラムを提供。自然食カフェの監修や、体を整える食のリトリートを提案する活動も展開。

「私は小さい頃から、お菓子や料理を作るのが大好きでした。大学生時代には栄養学に関心を持ち、栄養士の資格を取得しました。その後は栄養学を教えたり、料理教室を開催したりしていましたが、栄養学を学んでいるのに自分が健康でないことに気づいたんです。28歳のときでした」

そのように振り返るのは、自然食の食材やメニュー、レシピを提供しているテラキッチンの代表・木山純子さんです。大学を卒業した後、結婚と出産を経験した木山さんは、出産後すぐに仕事へ復帰。ところが、バリバリと働きたい意欲とは裏腹に、体調がすぐれない日々を送っていたそうです。

「当時の私は、仕事をいくつも掛け持ちして、とにかく慌しく過ごしていました。忙しさのあまり、仕事で作ったケーキの切れ端を食事代わりにつまんでいたほどです。当時は疑問に思っていませんでしたが、そのような食生活が体にいいわけがありません。満員電車に乗るといつも倒れてしまうほど無理が利かず、体力もありませんでした」

木山さんにとって大きな転機を迎えたのが、28歳のとき。料理教室の生徒さんから、マクロビオティックによる食の考え方を教えてもらい、感銘を受けたといいます。

「マクロビオティックから学んだことは、『一物全体』の考えと、『旬の食べ物こそ栄養を効果的にとれる食材』という自然の原理でした。また、マクロビオティックでは、砂糖や脂をむやみに使いません。これまで学んできた栄養学にはまったくない概念を新鮮に感じました。その後、東洋医学や中医学に基づいた栄養学にも関心の幅が広がっていきました」

学生時代から習得してきた西洋医学に基づく栄養学だけでは、体にとって大切なことを学べないと感じた木山さん。すぐに、中医学と東洋医学、薬膳の勉強を始めました。日本に古くから伝わっている、伝統的な発酵食品についても学んだそうです。

「中医学や東洋医学は歴史が長く、自然の摂理に沿った考え方を重視しています。養生法と呼ばれる、食材や食べ方によって体調を整えていく概念です。地味あふれる食材を多用して、無駄なく栄養をとる養生法を自分で実践してみると、ぐんぐん体調がよくなっていくのが分かりました」

患者さんごとに作る食事療法を手がけて手ごたえを感じました

養生法の効果をみずからの体で実感した木山さんは、西洋と東洋の概念を融合させた料理教室『テラキッチン』を再開。現在まで約3000人もの生徒さんに食の大切さを教えました。木山さんが教える養生法を学び、みずから実践した生徒さんの体がみるみる変わっていくのを見るたびに、木山さんは自分が目指す方向に手ごたえを感じるようになったそうです。

その一方で木山さんは、生徒さんたちとの関わりから、「心身の健康問題は、心の問題も密接に関係している」ことに気づいたといいます。

「食事から栄養状態を整えても、心の悩みを抱えている生徒さんは体調が回復しにくいことが分かったんです。たとえば、お子さんがアトピー性皮膚炎にかかって悩んでいるお母さんに食事を変えるアドバイスをしても、満足する結果に至りませんでした。実はそのご家庭には、食事でとる栄養よりも、お母さんの心理面に大きな問題があったんです。似たようなケースが続いたので、健康を考えるうえで欠かせない、心の問題についても学びたいと思いました」

いったん決意したらすぐに実行に移すという木山さんは、みずからを「動きながら考えるタイプ」と分析します。計画を練ってもいざとなると考えすぎて動けない人が多い中、木山さんはイメージが浮かんだら即行動。このときも、順調に続けていた料理教室をすべて中断し、3年間にわたって心の勉強に専念したそうです。

「私の目の前にいる人は、どんなことで悩んでいるのか——。コミュニケーションを通じて、真実をつかむためのトレーニングを積みました」

木山さんの料理教室や講座には、食と健康の関係に関心の高い人が集まっている

そのトレーニングの際に足を運んだ東北地方でも、縁あって食の大切さを伝えるようになった木山さん。ご縁ができた岩手県にある医療法人では、代替医療を専門で行っている施設で、自然食を提供する栄養士として働くことになりました。いざ現場に入った木山さんは、東洋医学を取り入れながら利用者さんごとに異なるメニューを提供するという、施設始まって以来の改革を実行したといいます。

「いま振り返ると、施設では何もかも1人で進めていたので、とにかく大変な毎日でした。でも、糖尿病の疾患を持った方の血糖値が改善したり、高血圧の治療を受けていた方の血圧が下がったりと、私が考案した食事で体調が優れない方の体調が改善されていくのは大きな喜びでした。この経験をしてから、ずっと携わってきた食の指導に一段と大きな手ごたえを感じるようになりました」

とはいうものの、施設食の改革をたった1人で実行するのは心身への負担が大きく、「自分のペースで食の大切さ伝える」ことを決意。2年間にわたる岩手県での活動を終えた後は地元の奈良県に戻り、自然食の料理教室を再開します。オンラインや対面での料理講座をしながら、ファスティング(断食)のメニュー開発という新しい分野に取り組んだのです。

「食べる断食」は自宅でできる健康的な健康プログラムです

「ファスティングというと、何も食べられず、口にするものといえば酵素ドリンクやスムージーというイメージがあると思います。ところが、自然療法学の観点では、食べないファスティングをすると一時的にはやせられても、リバウンドするリスクが高いんです。体に合わないファスティングは、やせすぎや冷えといった健康上の問題も起こりやすいですし、ストレスも抱えやすくなります。私が考えるファスティングは、誰でも自宅でできる“食べる断食”です」

木山さんが開発した「発芽玄米小豆粥」

木山さんが開発した、食べる断食プログラムとは、発芽玄米小豆粥を1日1回〜3回、1週間食べるというもの。木山さんはこの新しい断食プログラムを“食のリトリート”と呼んでいるそうです。

「リトリートは、心の休息という意味です。日本人に合ったご飯と梅干し、みそ汁をベースとしながら、摂取量を減らしたり、1食分を抜いたりして胃をきれいにしていきます。ファスティングというより、自然な食に替えていきながら、体を徐々にリセットさせることを目的としています」

健康的に減量しながら体質改善を図る、食べる断食プログラムを始めると、鈍くなった味覚が戻ってくるのだそう。実際に、発芽玄米小豆粥を使った食べる断食プログラムを実践すると、味の濃さと薄さのみならず、塩味や甘みの味覚が鋭敏になることが多いそうです。20㌔もの減量に成功した、ある50代男性はこう証言します。

「仕事が忙しかった私の食事は、外食やコンビニエンスストアの弁当が中心でした。あっという間に体重が増え、最大血圧は190㍉㌘(基準値は101~139㍉㌘)まで上がりました。体温は常時35度台の低体温。太っているのに極度の冷え症だったのです。味覚も愚鈍になっていました。

ところが、発芽玄米小豆粥を1週間食べつづけたら、みそ汁の味がよく分かるようになったことに気づきました。怒りっぽかった性格が穏やかになり、気分も安定するようになったんです。減量後の体調はいいですし、体温が上がって病気にもかかりにくくなりました」

こうした実践者からのフィードバックは、木山さんにとって大きな自信となり、新しい企画のヒントにもなるといいます。食べる断食を1週間続けた多くの人は味覚が徐々によみがえり、薄味を好むようになっていくとのこと。素材の味を楽しむ食事は、自然にやせるためのキーワードだそうです。実践者の中には、ダイエットのみならず、3ヵ月間で血糖値が大きく下がった糖尿病の患者さんもいるそうです。

「日本は飽食の国なのに、間違った食事で体調をくずしている人がほんとうに多いと思います。発芽玄米小豆粥で心と体が変わることを実感していただきたいです」

栄養士や調理師、料理教室の主宰に施設食の改革——。新しく開発した発芽玄米小豆粥には、木山さんが培ってきた食へのこだわりが集約されています。健康的に体をリセットしたい人におすすめの健康食です。